chapter:ずっといっしょ。Side:雨宮 鈴 重ねた唇はとろけるみたいに熱を持っていた。 だからそれだけでもわかる。 霧我は――まだぼくを好きでいてくれてるって……。 そして、ぼくも霧我のことが大好きで大好きで仕方がないんだ……って。 ぼくは広い背中に両手をまわして、霧我のキスを受け入れた。 ――その後、人気がない小さな公園で、霧我と話をした。 ぼくは、霧我に相応しくないっていう話を……。 でも、霧我にうまくはぐらかされて……おかげでぼくが霧我に相応しくないとか、そんなことはどうでもよくなって――気がついたら映画館の中だった。 広い映画館の真ん中の席。 今は薄暗いけど、だから余計に感じる霧我の気配。 公園では繋いでいたけど、人が多くて一度は離れてしまった手は、またしっかりと今こうして繋がっている。 霧我。 霧我。 ぼくにはもう、霧我しか見えない。 今も上映されているスクリーンを見ずに霧我の横顔を眺めている。 切れ長な目に、高い鼻梁の下にある薄い唇。 すっとした顔立ち。 ずっと見ていても飽きない。 見とれていたら、霧我がこっちを向く気配がして、慌ててスクリーンへと顔を移動させた。 だって、恥ずかしい。 映画を観に来たのに、ずっと霧我を見てるとか……どれだけ霧我が好きっていうことがバレてしまいそうで恥ずかしい。 顔は熱くて熱くてたまらない。 だからきっと今は真っ赤。 |