chapter:身体、重ねて。Side:雨宮 鈴 このボード、いったい何? ボードを見つめるぼくに、霧我はカウンターの人と話を勧めて、二階の真ん中にある部屋を示した。 そうしてカードをもらった霧我は、そのままカウンターで示した部屋に向かう。 店員さんからもらったカードは、何のカードだろう? ちょっと分厚い。 クレジットカードみたいな? それともそれとも、分厚いトレーディングカード? でも、絵柄何も書いてないよ? ゲームセンターでもあるの? 二階に? でも、二階のお部屋のボードには何もなさそうだったよ? 意味もわからないまま、霧我に手を引かれて歩いていく。 ガチャッ。 小さなドアの取っ手の隣にある溝にカードを差し込み、そうして開いたドア。 あ、なるほど。 カードは部屋の鍵なんだ。 ……なんて、納得するぼく。 霧我が取っ手から手を離せば、勝手にドアが閉まった。 一歩……。 また一歩……。 部屋の真ん中まで進んでいくと――。 トンッ。 「へ? あわわっ」 パフンッ。 突然背中を押されて、目の前にあったダブルベッドに倒れ込んだ。 ふわふわのベッドには、清潔な白いシーツが広がっている。 フワモコで気持ちいい……。 このまま寝ちゃいそうだ……じゃなかったっ!! 「霧が……」 ベッドに倒されたぼくは、目の前で見下ろしてくる霧我に抗議する。 だけど、言葉は途中で止まってしまった。 ――だって、整った眉尻を上げた霧我の……真剣な顔があるんだ。 「あ、あの……むっんぅ……」 どうしたの? 訊(き)こうとしたら、口が塞がれた……。 |