chapter:溺愛 side:晃太 今日、保健体育の授業で、女の子と男の子の身体の成り立ちを習った。 女の子には男の人を受け入れる部分があるけど、男にはない。だから兄さんが僕にしたことは、本当は女の子にすることで、男の僕にすることじゃない。 だからかな。 僕を抱いたのはあの日以来一度きりなの。 男だったらどうなるのかって面白半分で抱いたのかもしれない。 だって、兄さんはとっても格好いいもん。 彼女さんだって、いるかもしれない。 でも、でもでも!! 夜、いつも一緒に寝てくれる。 それに僕からしたキスもちゃんと返してくれる。 好きだって、愛おしいって言ってくれた。 ――ああ、だけど僕は母さんの連れ子で、仲良くしなきゃいけないから、だから拒まないのかもしれない。 兄さん……僕、もう嫌われたのかな。 そもそも、僕は兄さんにとって、ただの暇つぶしで、今は厄介な同居人なのかな……。 「っひ、兄さん……」 熱くなった目頭。 目から涙があふれ出した。 今夜は兄さんの部屋に行けない。 行ったら、きっと邪魔だって思われる。 好きな人に嫌われたくない。 同性に向ける感情じゃなくても、僕は兄さんが好きなんだ。 いつもなら寝る時間。 兄さんの部屋に行く時間は、だけど今日は自分の部屋のベッドでうずくまって泣いていた。 泣き声を殺すのに必死で、だからはじめは、自分の部屋のドアがノックされたのに気付かなかった。 コンコン。 何度目かのノックに気が付き、ベッドに伏せていた身体を起こす。 いったいこんな時間に誰だろう。みんな、僕が寝る時間なの、知ってるはずなのに……。 止めどなく溢れてくる涙を乱暴に拭い、ドアを開けると、そこには、僕よりもずっと背の高い、モデル並みの容姿をした兄さんが立っていた。 「晃太、学校で何かあった? 今日、なんだか晃太の様子が……晃太? 何を泣いているの?」 泣きはらしている僕の顔を見た兄さんが、慌てて訊(き)いてきた。 厄介者の僕を心配してくれる優しい兄さん。 「なん、でもない」 何でもないっていう顔でもないと思う。でも、それしか言えない。 「晃太?」 「やっ!!」 手を伸ばされ、初めて僕が拒絶した。 手を払う冷たい音が、僕の耳に響く。 ズキズキ痛いのは、兄さんを振り払った手じゃなくて、胸の方。 「いいの。もういい。僕に飽きたんでしょう?」 ううん、違う。兄さんはもともと僕のことをただの好奇心で抱いただけなんだから。 僕は寝間着なのにもかまわず、部屋から出ていこうと、入り口に立っている兄さんを押し退けた。 「晃太? どこに行くの?」 「出て行く」 「この時分に出て行くって何処に!? 晃太?」 「ただの好奇心だったんでしょう? 僕を抱い……っんぅうう」 兄さんが僕を、『抱いた』って言おうとしたら、口が塞がれた。 兄さんにキス、されたんだ。 部屋のドアが閉められ、鍵をかけられる。そのままベッドに倒された。 深くなるキスに、息苦しくて口を開けたら、入ってくるのは兄さんのベロだ。 「ん、っふ、んんんぅっ!!」 「晃太、俺は好奇心で君を抱いたりなんかしていないよ? 好きだって言ったでしょう?」 「そんなの口で言うのは簡単だよ。だって僕。兄さんに抱かれたのは初めだけで、それ以来手を出さないじゃないっ!!」 兄さんという檻の中、僕がそう言えば、強く抱きしめられた。 トクン、トクン。兄さんの、いつもより少し早い心音が聞こえる。 「あれ以来、抱かなかったのは、晃太が痛いと口にしたからだ。ほぼ衝動に駆られて抱いたあの行為で、これ以上、大好きな晃太を苦しめたくなかった」 えっ? それって……。 「第一、俺を想って泣く可愛い晃太を邪険にする筈がないじゃないか」 本当? 僕、兄さんに嫌われてない? じゃあ、じゃあじゃあっ!! 「僕を抱いてくれる?」 そう訊いたら、兄さんの眉間に皺が寄った。 なんだか、兄さんの方が辛そう? 「痛いよ?」 知ってる。もう経験済みだ。 「平気。初めは痛かったけど……兄さんに抱かれるの、気持ちよかったから……」 気持ちがいいなんて言うのが恥ずかしくて、だけど兄さんに本心からだと知ってほしくて上目遣いになってそう言えば、また強く抱きしめられた。 「晃太には敵わないな」 寝間着の裾から、兄さんの大きな手が侵入してきた。 「んっ」 「俺の可愛い晃太」 僕の肌を伝い、乳首に触れる。 「っあ!!」 どうしよう。乳首がジクジクする。 もっと触ってほしくて身体を揺らせば、摘んで擦られた。 「っふ、きもち、いっ」 「晃太……」 兄さんは苦しそうに僕の名を呼んで、そうしたら、唇が僕の乳首を吸い上げる。 「っは、んぅううっ!!」 甘い疼きがベロを這わされた乳首からゆっくり下半身に向かっていく……。 僕のものが疼いた。 「にいさ、おねが、ぼくっ!!」 下にも触ってほしくて、兄さんの腰に勃ち上がった僕のものを擦りつける。 兄さんはにっこり笑った後、下着をくぐり抜け、僕のものに触れた。 乳首を吸われたまま僕のものをやわやわと擦られて、先っぽからじっとりと濡れていくのがわかる。 兄さんが僕のものを擦る手から、ジュクジュクと水音が聞こえてきた。 ……ツプン。 「っひ!!」 骨張った太い指が、お尻の孔に入った。 異物感と痛みが僕を襲う。思わず『痛い』って言いそうになって唇を噛みしめた。 そうしたのは、優しい兄さんだから、きっと止めるって言うと思ったからだ。 「痛い? 止めようか?」 ホラね? 僕の乳首を舐めていた兄さんの唇が離れ、そう言った。 「やっ、やだっ!! そのまま、お願いっ、最後までしてっ!!」 痛いのは我慢できる。その後にやって来る強烈な痺れを知っているから。 我慢できないのは、兄さんが僕を抱いてくれなくなるかもしれないことだ。 僕は首を振り、兄さんの背中に手を回す。 涙が溢れているのか、視界が揺れた。 「晃太、愛しているよ。君だけだ」 その言葉だけでもう十分だ。 「ぼく、もっ、あっ!!」 『僕も愛してる』そう告げようとしたら、兄さんの指が孔の中に、一気に入ってきた。 強い痺れを感じさせてくれるそこを擦られる。 何度も強弱をつけて擦られて、僕の先からたくさんの液が飛び出す。 「っふ、ああっ、兄さん!! 兄さんっ!! おねが、おねがいっ!!」 腰を揺らし、閉じられない口からは唾液が流れる。 そのまま兄さんに貫かれたいと言えば、中を弄っていた指が消え、ズボンごと下着が下ろされた。 兄さんの大きく反り上がったものも見える。 血管が浮き上がって、すごく赤い。 前、初めて抱かれた時は、怖くて見られなかったけど、今は怖くない。 だって、大きくなってるのも兄さんなんだ。 僕は足を広げ、兄さんを迎え入れる準備をする。 「晃太」 ……ズズズズ。 中を兄さんの大きいものが掻き分け、ずっと奥へと進む。 指よりも大きくて、痛みは尋常じゃない。 だけど、だけど……。 僕、兄さんが好き。 「っひ、あああっ」 痛みを堪えている口から、声が出たのは、強烈な刺激を受けたからだ。 太くて大きい兄さんが、僕の中を擦る。 「イ、くっ、イっちゃうっ、兄さんっ!!」 「俺もだ。俺を締めつける晃太の中が、すごく熱い。とろけてしまいそうだ。一緒にいこうか」 「んっ、ぅうううっ!!」 キスされて、そのまま兄さんに貫かれた。 たくさん兄さんの吐精を注がれて、僕は深い眠りにつく。 兄さん、大好きっ!! **END** |