chapter:嫌い。の、反対は……。 明日は土曜日で、両親は今朝から日曜日にかけてプチ旅行で家にいない。だから今日は俺の家に砂倉が泊まりに来る。砂倉の両親には連絡してあるし、このまま一緒に来る手はずになっている。 のだが……。 「砂倉〜、今日も掃除当番代わってくんね?」 放課後の今。また頼み事されてるし。きっといつものことだから、俺との約束も後回しにして引き受けるんだろうな。 そう思っていたら……。 「ごめん、今日はちょっと大切な用事があるんだ」 えっ? 砂倉ははっきり断った。 驚いたのは俺と、頼んだそいつ。まさか断るとは思いもしなかったんだ。 砂倉は、「ごめんね」ともう一度謝ると踵(きびす)を返し、後ろで佇む俺のところにやってくる。 にっこり微笑み、俺のところに寄ってくる砂倉が可愛い。 「チッ。なんだよ、使えねぇ。いつも代わってくれたのに」 ボソッと呟くそいつは、まさか砂倉に断られるとは思ってもおらず、砂倉を悪者のようにそう言った。 なんだよそれ。もともとはお前の責任じゃないか! 苛立った俺は眼鏡のフレームを上げると、頼み事をしてきたそいつと向かい合う。 「聞き捨てならないな。そもそもそれは君の仕事じゃないのか?」 「うっ」 俺は砂倉の細い腕を引っ張り、何も言い返してこないそいつを横切った。 「すごい。引き下がった。さすが江藤くんだ」 後ろから聞こえる砂倉の嬉しそうな笑い声が心地良い。 俺の顔が熱いから、おそらくは真っ赤になっているだろう。俺は振り返りもせず、無言のまま砂倉の手を引いて歩き続ける。 「……あの、どこに行くの?」 校舎を出たあたりで砂倉はまた口を開いた。 どうやら俺が無言なのが不安になったらしい。 「俺の家に来る約束も忘れたのか?」 心臓が高鳴り、声が若干震える。 「……っつ!」 急に無言になる砂倉。 振り返れば、砂倉は顔を俯けていた。顔は……トマトのように真っ赤に染まっている。 ……ああ、可愛すぎてどうしよう。 早く砂倉と二人きりになりたい。 そればっかりで困る。 砂倉を掴む手から、じんわり熱が生まれる。 学校から家までの距離は十五分ほど。さほど遠くはない距離なのに、とてつもなく長い時間のように思った。 それでもなんとか家に着いた俺は、玄関のドアを開けるなり、砂倉が靴を脱ぐのも確認せずにすぐさま砂倉を横抱きにして自室にあるベッドに押し倒した。 「あ、あのっ、江藤くっ! んぅううっ」 唇を奪う。節操なしと呼ばれても良い。とにかく、早く砂倉を抱きたい。 「砂倉が欲しい。ダメか?」 砂倉の両腕を拘束し、訊ねれば、彼は潤んだ目で俺を見つめる。 また、大きく心臓が鼓動した。 「僕も、江藤くんが欲しい。今日、授業中も、ずっとずっと江藤くんの家に行くことばっかり頭の中にあったの」 この状況でそれはないだろう。 砂倉のそれは殺し文句だということをわかっていないのか。 「砂倉!」 「っひゃぅ!」 俺は砂倉に飛びかかり、下着ごとカッターシャツをめくり上げた。 あらわになる白い肌。 それと、胸に乗っているふたつの突起。 俺は吸い寄せられるようにして、乳首に吸い付いた。 「んっ、っふ」 甘噛みして乳首を挟み込み、舌を使って念入りに舐める。 片方の乳首は指で摘み上げ、引っ張ったりこね回したりと、砂倉を刺激する。 「江藤くん……」 しばらく乳首を堪能していると、甘い嬌声が少しずつ聞こえてきた。 ――苺のようにツンと突き出した乳首も。 ――下肢で強調している膨らみも。 「やっ、やあっ、ああっ! 江藤くんっ、江藤くんっ!!」 もう片方の手で、ズボンの生地を押し上げている砂倉の陰茎に触れ、こね回す。 砂倉は先走りを流しているようだ。生地はじっとりと濡れてきている。 「砂倉、好きだ」 「んっ」 ――大きな目に涙を溜めて懇願するその表情も。 ズボンを引き下げ、下着も取り払う。反り上がった砂倉の陰茎は俺よりも少し小さい。 尻の孔にまで、彼が放った先走りが伝っていた。 孔に指を這わせ、ゆっくりと中をほぐしてやる。 「っひ、あっ!!」 砂倉の身体がビクンと跳ねた。 可愛くて、思わず口元が弧を描く。 俺もズボンのジッパーを下ろし、自身を解放する。 たっぷり解れたそこを見た俺は、俺がすることのすべてに身を任せてい砂倉に手を伸ばす。 「砂倉、おいで」 「ん」 俺が手を引けば、砂倉は反り上がった俺の陰茎に跨った。 ゆっくり挿入(はい)ってくる砂倉。 中は熱く、締めつけてくる。 「はいった?」 やっと俺のすべてを飲み込んだ砂倉。 ちょっ、そんな涙目で首を傾げるなよ!! 砂倉の初めてを奪った時、俺は砂倉を気遣わず抱いた。 だから今度こそ、砂倉のペースで優しく抱こうと思っていたのに、俺の計画が全部台無しだ。 「砂倉っ!」 俺は砂倉をベッドに押し倒し、深い抽挿をする。 砂倉の両脚が大きく開いた。 きつい襞を掻き分け、ずっと奥に挿入した。 「やっ、らめっ、イくっ、イっちゃっ、ああああっ!!」 襲い来る快楽のおかげで口は閉ざすことができず、唾液が流れている。 頬が赤く染まる。 涙を流す大きな目は焦点が合っていない。 「砂倉、砂倉!!」 俺は深い抽挿を何度も繰り返し、絶頂を迎える砂倉を尚も攻める。 「ああっ、っひぐぅうっ、おっき、えとうく、おっきいっ!」 俺の陰茎が前立腺を何度も擦るおかげで、砂倉の陰茎はそのたびに大きく膨れ、吐精を繰り返す。 俺も砂倉の中でたっぷり注ぎ込み、それでも砂倉の中が締めつけて俺を離さない。 また砂倉の中で俺が勃ち上がり、膨らんで襞を押し広げる。 「っつ、砂倉っ!」 可愛い砂倉が悪い。 もう、ホント俺、どうしたらいいんだろう。 **END** |