chapter:パッション ※r18 どちらからともなく唇を重ね合わせれば、身体が熱を持ちはじめる。 互いを求め合う唇は、次第に噛みつくような口づけになり、舌が絡まり合う。淫らな水音が部屋を充満する。 マフムードはジアの肌を知りたくて、指を薄衣の中に忍ばせた。 胸にある小さくて柔らかなふたつの突起は、次第にツンと尖り、マフムードが乳首を弄れば、従順に動く。 「んっ、っふ……」 どうやらジアは胸でも感じるらしい。 深く重ねた唇から艶やかな声を発した。 マフムードの耳に聞こえた声に刺激された自身は、ズボンの生地を押し上げている。 (ジアが欲しい) 下肢にある陰茎へとそっと手を伸ばし、自分と同じ形をした彼の一物を包み込む。 「ん、あっ!」 ベッドのスプリングが軋みを上げ、ジアの華奢な身体が跳ねる。 彼の一物も大きく膨れていた。 マフムードはジアのパンツに手を差し入れ、彼の陰茎を包む。 思った以上に熱い。触れれば触れるほど、硬くなっている。亀頭からはジアの蜜があふれ出し、マフムードの手を潤す。 マフムードは握る力に強弱をつけてジアを攻める。 「あっ、やっ!! マフムードッ!!」 しなやかな身体が弧を描く。 ベッドとジアとの間にできた空間に、蜜を纏い、濡れそぼった手を差し入れ、後ろにある花弁へと指を這わせた。 もう片方の手は、再びジアの陰茎を弄りはじめる。 「あっ、あっ、っひぅっ!!」 マフムードの骨張った指が花弁を貫き、中へと進む圧迫感からの悲鳴。 けれども陰茎を扱かれていることによる快楽の嬌声。 入り交じった声が、小さな紅色の唇から放たれる。 その唇は常に開きっぱなしで、唾液が滴り落ちていく。 濡れそぼった唇。 頬が紅色に染まっているその表情はとても美しい。 マフムードはジアの唇を塞ぎ、ジアの声をも食らう獣になる。 花弁を掻き乱し、襞を広げながら最奥を目指せば、凝りがあるのに気が付いた。 そこに指を這わせ、触れてみる。 「っふ、ひぅう!!」 ジアの身体が、また大きくしなった。 「ここがいいのか?」 マフムードは口元に笑みを浮かべ、凝りのそこを何度も擦る。 「っひ、ああっ、あああんっ、っひぅうっ!」 ジアの手がマフムードの背に回る。 マフムードは花弁を掻き乱す指を二本に増やし、執拗に凝りを擦り続ける。 「っひ、っぐ、イくっ、だめっ!!」 マフムードは限界だった。ベッドの上で乱れ狂うジアの妖艶な姿に、天を仰ぐ自身の楔を生地から解放し、ジアの花弁を貫く。 くぐもった声と同時に花弁を押し広げ、挿入(はい)ってくるマフムードの楔は、二本の指よりも太い。 楔に貫かれジアの身体は弓なりに反れた。 締まった花弁の中に最奥まで辿り着いたマフムードは吐精し、彼の中にたっぷりと注ぎ込む。 達したマフムードは、ジアの上に被さるようにしてぐったりと倒れ込む。 けれど、ジアはこれで終わりではなかった。 「マフムード!!」 ジアはベッドから起き上がると、マフムードの花弁を守る双丘を掴んだ。 驚いたのは、ジアを抱き終わり、開放感に満ちていたマフムードだ。 「ジ、ア?」 「マフムードばっかりずるい。俺もするっ!!」 ジアは、まだ達してはいないのだ。濡れそぼった自らの陰茎に指を這わせ、マフムードの花弁を押し広げるように指を挿し入れる。 「ちょっ、ジアッ!!」 体格はジアの方が小さく、華奢だ。しかし、一度吐精してしまったマフムードは力を失っている。 ジアは自分よりも背の高いマフムードを簡単に組み敷くことができた。 「俺が嫌い?」 好いている相手に嫌いかと問われて嫌いだと言える筈もない。 マフムードは押し黙っていると、ジアの指が、先ほど自分がしたように、孔へと挿入ってきた。 「っつ、あっ!」 言いようのない圧迫感。ジアも先ほどこれを経験したんだと思えば、我慢はできる。 マフムードはできるかぎり力を抜き、ジアの指に慣れようとする。 圧迫感はやがて強烈な何かが押し上げ、消えた。 マフムードがジアの花弁の中の凝りを、ジアも触ったのだ。 痛みの代わりにやって来たのは、強烈な射精感だ。 「んっ、ぅう……ジアッ! ジアッ!!」 ジアの名を呼ぶマフムードは可愛い。 漆黒の目に浮かぶ涙。その表情はどことなく儚げで、色香を漂わせている。 ジアは早く自分の熱い楔を打ち付けたくて堪らなかった。 指を二本挿入(い)れて、中を掻き回す。 「んっ、やっ、ああっ!!」 シーツの上に滴り落ちる先走り。さっき達したばかりの陰茎は猛り、勃ち上がっていた。 「俺のマフムード……」 ジアは指を引き抜き、魅惑的な孔へ楔で貫く。 「ん、ああああっ!!」 ひと息に貫いた楔は最奥へ向かい、それと同時にマフムードは二度目の吐精をした。 達したマフムードの襞に締めつけられた楔は、彼の中で熱い迸りを放つ。 「可愛いマフムード。逃がさない」 遠のく意識の中、ジアの声が聞こえた。 自分はもう孤独ではない。最愛の人を見つけたのだ。 ジアのあたたかな熱に包まれた腕の中、マフムードの口元が緩んだ。 **END** |