chapter:陰陽師は好敵手に組み敷かれ、淫らに喘ぐ 「綺麗な朱だ」 隆晃(たかあき)は剥き出しになっている俺の乳首に指を滑らせ、笑みを浮かべた。 「っ、言うなっ!」 恥ずかしい!! ただでさえ、好きな人の前で裸になることすら恥ずかしいのに、言葉でも攻めるなんて、恥ずかしすぎる。 俺は泣きそうな声で訴えた。 そんな俺を宥めるように、彼は頭を撫でる。 「何故? これからたっぷり可愛がるのに……」 「っんっ」 指先で俺の乳首を弄りながら、俺の唇を奪う。 好き……。 長年、ずっと秘めてきた想いをやっと吐き出すことができた。開放感に満ちる。 隆晃ともっと引っ付いていたくて、両腕を彼の後頭部に持って行く。 流れるような艶やかな髪に触れ、遊ぶようにして指で掬う。 相変わらず綺麗な髪だ。 深く唇を重ねながら、俺は隆晃に酔いしれていた。 「……んぅ」 どれくらいそうやって隆晃は指を動かしていただろう。俺の身体が少しずつ反応しはじめていた。 乳首がチクチクする。 胸で感じるなんて、考えたこともなかったのに……。 「ん、っふ……」 隆晃がもたらしてくる刺激で、俺の腰が揺れる。反り上がりはじめている俺の陰茎が隆晃の腹に当たった。 なに、これ。 気持ち良い。 「ん、っふ、んぅう……」 もっと感じたくて隆晃に擦り寄れば、彼は苦笑を漏らした。 「可愛いな、由基(ゆき)は。帝が気に入るわけだ。今まで食われなかったのが不思議なくらいだ」 隆晃はおかしなことを言う。 帝はただ単に俺が術者として有能だから、よく呼ばれるだけなのに……。 俺をそういう目で見るのは隆晃だけだ。 「たかあき……」 淫らに腰を振り、彼の名を告げれば、乳首から骨張った指が消えた。 それとほぼ同時。衣の割れ目から、隆晃の手が侵入してきた。 ……チュク。 下肢で強調している俺の陰茎に触れる。 「っひゃっ、ちょっ!」 「濡れている。胸で感じた?」 「っつ!!」 恥ずかしくてそっぽを向けば、亀頭に溢れはじめている先走りをそっと指に取り、後ろにある孔に忍ばせた。 「ああっ、やっ!」 びっくりして、夜具から腰が浮く。 その瞬間を隆晃は見逃さなかった。 俺の先走りを纏った指が襞をかいくぐり、内壁を掻き回す。 そこにあるのは、前立腺だ。隆晃は執拗にそこばかりを狙って擦ってくる。 「ゆびっ、そこ、やぁ……」 「擦られて気持ちが良い? もっと擦ってあげようね」 「っひ、っぐ!! っあ!」 強弱をつけて擦られるから、イきたいのにイけなくて、焦らされる。 「あっ、あっ、あっ!! たかあき、たかあきっ!! 俺を抱いてっ!!」 イく……イきたい。 でも指じゃなくて隆晃を感じたい。 隆晃に抱かれたくて懇願すると、俺の腰が持ち上げられた。 反り上がった俺の陰茎の下に見えるのは、俺よりもずっと雄々しい隆晃の雄。それが俺の孔に挿入(はい)ってくる。 「由基……俺を煽るな」 「あおってなんかっ、っひ、ぐ。おっき……。あああっ!!」 内壁が引き裂かれそうだ。 隆晃は俺の襞を掻き分け、最奥を目指して進む。 さっき前立腺を刺激されたおかげで痛みはないものの、自分のものではない太くて硬いものが挿入ってくる違和感がぬぐえない。 「んっ、ん……」 口を閉ざし、どうにか違和感を誤魔化してると、亀頭が前立腺に触れた。 「っひ!」 指ではない太くて硬いものに擦られ、ビクンと跳ねてしまう俺の身体。 「ここだろう? たっぷり注いで、俺を刻もう」 隆晃は抽挿を繰り返し、俺が感じたそこばかりを亀頭で擦り上げてくる。 視界が歪む。目に涙が溜まる。 隆晃の顔が、うまく見られない。 「っふ、隆晃、たかあきっ、ああああっ!!」 傍にいる隆晃を見たいのに、見られなくて、だから必死に彼の名を口にする。 イく!! 俺が確信した時にはすでに白濁を放っていた。 隆晃もまた、最奥を貫き、俺は隆晃の白濁を受け取った。 言い知れない開放感と満ち足りた気分が俺の胸を満たす。 ふたりとも、一緒に達したし、これで終わりだと思ったんだ。 だけど、隆晃は違った。 「やっ、なんでっ!?」 終わったと思ったのに、隆晃の肉棒が俺の中で呼応する。また硬くなっていく。 「たか、あき?」 嫌な予感しかしない。 俺から隆晃が消えても、安心できない。 だって肉棒が引き抜かれたけど、これで終わりじゃないことはわかる。 俺の体位を変えられ、今度はうつ伏せにされると、隆晃にまた貫かれた。 「っは、ああぅ」 「言っただろう? たっぷり注ぐと……」 隆晃の白濁を注ぎ込まれ、解かれることもなくふたたび俺の中を穿(うが)つ。 その度に聞こえるのは、さっき隆晃に注がれた白濁が中で掻き回される水音だ。 「あっ、やああっ、水の音、中でするぅううっ!!」 「中、濡らしているみたいに聞こえるね」 俺の中を掻き乱す隆晃の陰茎だけじゃなくて、中から聞こえる水音と、肌がぶつかる音。それに隆晃の息遣い。すべてが俺を刺激する。 「っひ、言うなっ、もう、やああああっ!! もっ、ゆるしてっ、またっ、イくっ、イくぅうう、やあああっ!!」 隆晃の熱に捕らわれた俺もまた、自らを解放する。 俺の亀頭からはまるで粗相でもするかのように、淫らな蜜が絶え間なく噴射する。 喘ぐばかりで閉じられなくなった口からも、唾液が滴り落ちていく……。 仰け反った俺の背中に、隆晃の薄い唇が乗った。 甘噛みされて、肌を吸われる。 「甘い……由基の肌は蜜のようだ」 「っあ、あああんっ」 隆晃のすべてが、俺を支配する。 隆晃にイかされ続け、ようやく隆晃から解放されたのは空が白じんできた頃だった。 俺は夜具の上でぐったりと横たわる。 「も……なんで、こんなに激しいの……信じられない」 隆晃は何時だって冷静で、俺がふっかけた喧嘩も買わなかったのに、こんなに激しいセックスを求めてくるなんて思わなかった。 「我慢していたからね」 我慢って……なんだよ。俺の方がずっとずっと隆晃を好きなのに。 ぷっくりと頬を膨らませ、拗ねると、隆晃は小さく笑った。 「……愛しているよ、由基」 ……チュッ。 隆晃の告白とほぼ同時にリップ音が鳴った。 隆晃は俺の頭頂部にキスをしたんだ。 「隆晃……」 俺は嬉しくて、そのまま意識を手放した。 大好きな彼の腕に包まれて……。 **END** |