chapter:医師は城主を誘惑す 薄闇に染まる景色の中。 蝋燭が、十二畳はあるだろう、この広い座敷を照らす。 上半身にある乳首を剥(む)き出しにしたその姿で、俺はここの城主に抱かれている。 「濡れそぼったここは尖ってきたな、実に可愛らしい」 ツンと尖った乳首の片方を摘まれ、もう片方は、倭(やまと)様の薄い唇に捕らわれる。 「んっ……ぅうう」 俺の乳首を吸い上げ、あるいは摘み、弄られれば、尻に力が入り、中にある倭様を締めつけてしまう。 俺は今、倭様と向かい合い、彼の上に跨ったまま、彼の太い肉棒を内壁で咥えている。 「締め付けが良いな」 彼の荒い息遣いが、俺の耳孔を刺激する。 尻を揉まれれば、俺の内壁はまたキュッと締まってしまう。 倭様の太い猛りが俺の中にあることをまざまざと思い知らされる。 俺を貫く倭様の熱が俺の身体を熱くする。 「ん、んあっ、言わないでっ!! あっつぅうういっ……」 「丞(たすく)の中も熱いぞ? もっと俺を欲しろ。そして俺を感じろ」 「っひ、う、ああっ!!」 揉まれたまま、俺の腰を上下させられ、彼の亀頭が俺の襞を擦る。 そのたびに、全身が痺れるような強力な疼きが俺を襲った。 喘ぐことしか出来ない俺は口から唾液を垂れ流し、自らも腰を揺らした。 「気持ちが良いのか? 蜜が溢れている」 倭様の声に合わせて俯けば、俺の陰茎は赤黒くなっていて、屹立した先端からは絶え間なく先走りが滾々とわき出ている泉のごとく、流れ続けていた。 俺の耳を、自ら発した先走りと、俺を貫く倭様の肉棒からの先走り。それから内壁を擦る肌の音が支配する。 「気持ちい……もっと突いて、おねがいっ!」 後頭部に腕を回し、懇願する。 快楽の涙で視界が歪む。 見えるのは、深い傷痕がある、閉ざされた左目。 この感情はなんだろう。傷ついた左目を癒したいと思った。 唇を寄せ、古傷にキスを落とせば、右目が大きく見開いた。同時に俺の身体が夜具に倒され、仰向けにされた。 「俺を煽っているのか? 君のそれは天然か? それとも意図しているのか?」 「えっ、ちょっ、まっ!!」 高々と腰を持ち上げられたかと思ったら、俺の最奥まで深く刻まれていた肉棒が引き抜かれる……。 何をされるのかわかったから、心の準備をさせてくれと頼むのに、倭様は容赦なしだ。 勢いよく襞を押し分け、挿入(はい)ってきた。 「っぐ、あっ!!」 苦しくて声を上げれば、その唇さえも彼に塞がれた。 「ん、っふぅううう」 「誘惑した君が悪い」 ひとたび俺の唇を解放すると、倭様は激しい抽挿で俺を攻める。 ここは城内で、いくら広いとはいえ、この座敷を取り囲むようにして皆の寝室がある。 あまり大きな声を上げては、皆に情事が知られてしまう。それなのに、頭の中が麻痺して、もう何も考えられない。 倭様の焼けるような熱い楔による深い抽挿がはじまる。 抽挿される時に発する肌の音が夜気に響く。 「っあ、イくっ、もうっ、やああああっ!!」 そうして俺は、夜通し倭様に愛液を注がれ続け、淫らに喘いだ。 **END** |