れんやのたんぺんしゅ〜★
隠密は主に夢中{emj_ip_0834} ※r18





chapter:忍頭の誤算







 俺は琥珀(こはく)様の薄い唇を割り開き、自らの舌を侵入させて口内を蹂躙する。

 美しい絹のような黒髪に指を通し、髪の一本一本さえも自分の物だとたしかめる。


 琥珀様から香ってくる、この甘い匂いは何だろう。

 夢中になって舌を絡め、吸い上げる。


 琥珀様のくぐもった低い声と、舌を交える唾液の水音が俺の耳孔を攻め、下肢が熱を持つ。

 抱きたいと思っていた琥珀様がようやく手に入るのだ。胸が早鐘を打つ。



「ん、んぅうっ?」

 ちょっと待て。何かがおかしい。

 それに気が付いたのは、もうしばらくしてからだ。

 琥珀様の手が、何故かあらぬ方向で動いているのを感じた。

 あらぬ方向というのは……俺の尻だ。

 琥珀様の手が、俺の尻を揉んでいた。そうかと思えば、指が中に侵入してきた。


「んっ、あっ!!」

 異物感が俺を襲う。だが、けっしてそれだけではなくて、全身が痺れるような感覚だ。



「可愛い俺の蒼(あおい)」

 身じろぎをしながらも接吻に酔いしれていると、琥珀様の指は袴をくぐり、俺の陰茎をなぞった。

 亀頭に触れられると、全身が疼く。


「っは!!」

 俺の口からおかしな声が出た。


「ちょっ、なんでっ!?」

 慌てた時にはもう襲い。俺はいつの間にか袴を取られ、下半身があらわになっていた。


「何故って、俺が君を抱きたいから、こうしてここを解して……」

「んっ、っひ!」

 ……ツプン。

 俺の先走りを纏った琥珀様の指が音を立て、尻の孔に入ってくる。

 指はゆっくり、中を掻き回すようにして、襞を押し広げて進む。

「やっ、琥珀さまっ! 俺が!!」

 俺が琥珀様を抱きたいのに!!

 そう口にしようとした時だ。琥珀様の指が、前立腺に触れたんだ。

 琥珀様はビクンと震える俺の姿を見過ごさなかった。

「この凝り。ここだろう? 感じる部分は……いつも守ってくれているから、たくさんご褒美をあげようか」


 内壁を弄る指が、もう一本増えた。


「あっ、っひ!!」

「良い子だね」

 グリグリと前立腺を掻き混ぜられ、襞を押し広げるようにして不規則に動く指。

 刺激された俺は、淫らに屹立している陰茎から、雫を垂れ流す。


「あっ、あっ、やっ、だめっ、なかっ!」

 達してしまうからと睨めば、しかし琥珀様は妖艶な笑みを浮かべ、俺を見つめている。


「涙目で睨んでも煽っているとしか見えないよ?」

 言った途端、指が三本になった。思いきり掻き混ぜられたら、もう何も考えられない。

 俺の先走りが中で掻き回され、ツプン、ツプンと濡れた音を弾き出す。

「っひ、あっ、ああっ!!」


「蒼……」

 琥珀様は、乱れる俺に興奮してくれたのか、着物の割れ目から肉棒を取り出した。

 押し倒していた俺の体位が変わり、今度は俺が下になる。

 指が消え、次にやって来たのは、熱を持つ、太い肉棒だ。


「たくさん褒美をやろうね……」

 襞を掻き分け、ひと息に貫かれた。

 琥珀様の熱い迸りが最奥で注がれる。

「んっ、あつい、こはくさまっ、あっあああああっ!!」


 体内に流れ込んでくる琥珀様の愛液に溺れるようにして、俺も白濁を放ち、沈んで行く……。



 ……何故、こうなってしまったんだろうか。

 俺が琥珀様を抱く筈だったのに、抱かれるなんて……。



 琥珀様に抱かれた恥ずかしさから余韻で震える唇を指で隠し、俯いていると、彼の微笑む気配がした。


「蒼は可愛いね」


 恥ずかしいから目だけを向けて見上げれば、彼はにっこり微笑んでいる。

 骨張った指が、俺の短い髪を梳く。


「っつ!!」


 ああ、不味い。琥珀様に抱かれるのも悪くないと思っている俺がいる。


 もう、完敗だ。

 琥珀様はもしかすると敵に回すととても厄介かもしれない。

 そう思った初夜だった。



 **END**


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