chapter:恋人日記 ◆ 5月27日 今日、ずっと好きだった、俺が通う男子校の中ですんげぇ格好いいって有名な、狩和野 明人(かりわの あきと)先輩に勇気を出して告白した。まあ、男子校だし、結構同性でも恋人がいるらしいけど、先輩は格好いいから他校の女子にも人気がある。だから玉砕覚悟だったけれど、すんなりOKしてくれた。 夢みたいだ。 すっごく嬉しい。 もう今日は、大好きな先輩をテディベアに見立てて、抱きしめて寝るッ!! ―――――― 5月28日 昨日、告った先輩と一緒に帰宅。 メルアドの交換もした。早速メールしたら、最後の文章に、「大好きだよ」って来た!! すんげぇ嬉しい!! やっべ、心臓バクバクいってる。 嬉しすぎて死んじゃうかもっ! ―――――― 5月29日 今日は土曜日。学校休み。うう、先輩に会いたい。 今度、デートに誘ってみようかな。ああ、だけど先輩は2年だし、受験間近で忙しいかな。 今日も先輩から眠る前の大好きメールがあった。 それだけでチョー嬉しいッ! そう思うのって、ゲンキンなのかな。 ―――――― 5月31日 今日は月曜日。先輩に会える日だ。 休み時間、先輩に、次の土曜か日曜どっちかにデートに誘ったら断られた。 ショック。 でも、来年は受験生になるし、しょうがないよな。 ……今日、眠る前のメールくれなかった。俺、何かしたのかな。 ―――――― 6月4日 最近の先輩がどこかヘンだ。 話しかけてもどこか上の空で、俺の話、全然聞いてくれない。 眠る前の大好きメールもいつの間にかくれなくなっちゃった。 なんで? もう俺といるの飽きた? 先輩はとっても格好いいし、女子にも男子にも人気の人だから、すごく不安だ。 ―――――― 6月7日 先輩は俺といるより寝る方が好きみたい。 昼休み。一緒に弁当を食うのに屋上に誘ったら、すぐに寝ちゃった。 たしかにね、勉強大変だと思うよ? だけどさ、俺、こんなんで付き合っているって言えるのかな。 寂しいよ。 ―――――― 6月8日 今日、先輩が俺のクラスに来た。びっくりだ。だけど先輩、なんで俺を見ると逃げるように自分の教室に戻って行ったの? なんで、俺の友達と仲良さげに笑ってたの? ねぇ、最近。俺といても笑ってくれないよね? 俺のこと、もう飽きた? ……寂しいよ。 ―――――― 6月10日 今日、先輩には会いに行ってない。 だって嫌われるのとか怖いもん。 好きなのに……OKもらって付き合って……。 嬉しかったのって、俺だけだったのかな。 先輩はただ、告白をした俺を振るのが可哀相だと思って、同情で付き合ってくれただけなのかな。 だったら、すごく悲しい。 ―――――― 6月11日 今日は土曜日。先輩と付き合い始めて明日で2週間目。 でも、これって、付き合っている内にはいるのかな。 ……寂しいよ。 ―――――― 6月12日 今日、びっくりすることが起こった。 なんと先輩が家に来たんだ。 それで、マスコットのテディーベアをくれたんだ。 っていうか、なんで先輩、俺がテディベア好きなこと知ってんの? わざわざ調べたの? それで、なんでくれるのって聞いたら、『今日は恋人の日だから』だって。 先輩って、そういうイベントが結構好きみたい。 それで俺とのデートを断ったの、俺に渡すテディベアを作っていたんだって。 っていうか、手作りとか、びっくりだ。 俺の話に上の空だったのも、素っ気なかったのも、勉強の合間に作っていたからだって。 睡眠時間を削って作ったんだってさ。 先輩って器用なんだ。 俺、嬉しくて泣いちゃった。 そしたら先輩、『来年のこの日、また何かプレゼントするから、何が良いか考えておいて』だって。 手作りをもらえて嬉しいっていう気持ちはあるけどさ、それ以上に、先輩に大切にされていたってわかったのが幸せ。 先輩、大好きっ!! 明日、何かをもらうより、先輩と一緒にいる方がいいって正直に言うつもり。 だって俺、少しでもいいから先輩と一緒にいるだけで幸せだから。 **END** |