裏切りは艶麗な側近への狂詩曲-ラプソディー-

第一章





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 (六)



 フィンレイは一糸もまとわない姿のまま、寝台の上で眠りについていた。すると何やら自分の身体を這い回る、妙な感触を感じた。

 これはいったい何だろう。考えているそのうちにも、身体を這う感触はずっと強烈になってくる。

 フィンレイが意識すれば意識するほどその感触は強くなる。すると、得体の知れないそれは胸にあるふたつの乳首を擦り上げてきた。そうかと思えば、同時に下肢にある一物にも触れた。

「っひ!!」

 フィンレイは気持ちの悪さに目を見開く。

 すると、両の手が頭の上でまとめて固定されているのに気がついた。自分の手首を縛っているのは、茶褐色をした恐ろしく大きな蛇だ。それはフィンレイの柔肌をなぞるようにして、胸部に巻き付き、先が二つに割れた長い舌で、二つの乳首を交互にちろちろと舐めている。

「いや……やめて……」

 気持ち悪さに身体を捩れば、太腿も蛇に巻き付かれていることを知った。両足があらぬ姿で開脚されている。華奢な身体は蛇の長いその身体で雁字搦めにされ、恥ずかしい箇所ばかりを見せていた。そして彼の陰茎さえも蛇の長い身体に捕らわれている。

「ああっ、こんな……」

 蛇はフィンレイの乳首を執拗に舐める舌を止めると、彼の真正面まで顔を持ち上げた。黄色い目が、驚き、怯えるフィンレイを捉える。それはまるで面白がっているようだ。

 出したり引っ込めたりするその舌の動きも気持ち悪い。フィンレイは怯えた表情を浮かべると、蛇は目を窄め、ふたたび先ほどの行為の続きを愉しみはじめる。

 蛇が動けば、胸部を縛る蛇の身体が動き、フィンレイの乳首を上下で挟み揉まれるようにして強調させられる。ツンと尖ったそこを舌が舐め取る。

「っひ……」

 そして縛られた根元もまた、締めつける。先端からは先走りという蜜が溢れ、伝いはじめていた。それを知ったのか、蛇は目を細めると、乳首を舐めるのを止めて下肢へと移動する。

 先端から溢れ出た蜜を真っ赤な舌が舐め取るからたまらない。全身に向かって痺れるような疼きがフィンレイを襲う。

「やめて、も……」

 何が悲しくて動物に陵辱されなければならないのか。それでも感じている自分が情けない。フィンレイは羞恥の涙を浮かべ、陵辱の苦しみに耐える。

 それでも蛇はフィンレイのすすり泣く声を愉しんでいるようだ。ますます動きが活発になる。

 さらに甘美な蜜を求め、蛇は亀頭の割れ目に舌を忍び込ませる。

「っひ、ああああっ!!」

 尿道を責められ、痺れるような快楽がフィンレイを襲う。舌が挿し込み動くたびに、淫らに濡れた水音が、新たに生まれる。

 そこから舌が消えると、フィンレイの腰が震えた。蜜が弾ける。

 しかし、フィンレイへの恥辱はまだ終わらない。余すところなく陵辱した蛇は、もうひとつ。禁断の蜜の花園へと視線を潜らせる。蛇はあらわになっている双丘の中に頭を捩り、蕾を視界に入れた。

「まさか、そんな……」

 フィンレイは唾を飲み込み、恐怖で身体を震わせる。それを愉しんでいるかのように、蛇は舌をくねらせ、蕾の中へ侵入を果たした。内壁を掻き分け、長い舌がより最奥へと進み行く。

「っひ、うう……」

 そこは排泄するばかりの場所で、けっして挿し込まれる場所ではない。フィンレイは苦痛に頬を濡らす。

 しかし、フィンレイの中を陵辱するのは舌だけでは治まらなかった。三角の頭部が小さな蕾をこじ開ける。

「っひ、っぐ、いや、いやだっ!! 痛い! 助けて。誰か!!」

 強烈な激痛に泣き叫ぶフィンレイだが、蛇は聞かず、そのまま小さな蕾に無理矢理頭を突っ込む。肉が引き裂かれる音が聞こえるようだ。フィンレイは貫かれる恐怖に戦慄く。

 蛇の頭部が少しずつ内壁を分け入る。フィンレイの蕾はただ飲み込むしかできない。


「痛い! いやだああああっ!!」

 いっそうの拒絶を見せるフィンレイから、しかし突然、蛇の頭が消える。閉ざした視界の奥で、何やら大きな陰が見える。何事かと恐る恐る目を開けると、そこには一匹の雄々しい獅子がいた。

 獅子は金色に輝く立派なたてがみをした雄で、蛇を睨んでいる。


 獅子が呻ると、どんなに嫌がっても離れなかった蛇がフィンレイの身体から放れていく。

 安堵したフィンレイがすすり泣きを漏らせば、雄々しい獅子は涙を流す目尻を舐め、優しく慰める。

 疼きを止められなくて身動ぐと、先ほどの陵辱でフィンレイの反り上がった陰茎をざらついた舌で舐めはじめた。

「あ、いや……」

 拒絶する言葉を発するも、もう逆らう元気はない。フィンレイは獅子の為すがままになる。

 獅子の立派なたてがみに指を滑らせ、ただひたすらに喘ぐ。

 陰茎を舐める水音が聞こえる……。

 根元から先端へ。獅子がその舌で舐め続けると、やがてフィンレイは身体を弓なりに反らした。

「っひ、やっ、もっ、だめ……あああ……」

 勢いよく精を吐き出すと、獅子ははしたない蜜を美味そうに舐め取っていく……。

 そうして果てた彼は目を閉ざし、意識を手放した。


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