*恋色童話集*




chapter:赤ずきん~強気な赤ずきん




◆side:あかずきんくん◆



「や〜い、泣き虫狼!!」

「嘘つき狼〜」


「うえっ、痛いよ、やめてよっ!!」

今日が始まったばかりの朝。

俺は、気持ちよく朝のさんぽに出かけていると、何やら騒がしい声に邪魔された。

まさかと思って声がする方へ走っていくと、そこには大きな身体を思いきり縮めて泣く狼と、そして彼を囲むように蹴ったり殴ったりをしている兎や狐たちがいた。



あいつら、またやってやがる!

よくも俺の狼をっ!!


「ごるあああああ、いい加減にしろよお前らあああっ!!」

「やべっ、凶暴赤ずきんくんだ!! 逃げろっ!!」


拳を掲げて向かうと、兎も狐も尻尾を巻いて逃げていく。


「……うええっ、赤ずきんくん」

「狼、大丈夫か? 怪我は?」

俺よりもでかい図体をした狼に尋ねると……。

「へ……き」

グスンと鼻を鳴らし、へにゃって笑う。

くそっ、なんだよ、さっきまでイジメられてたのに、そんな嬉しそうな顔して笑うなよっ!


俺の顔が赤くなっちまうじゃねぇかっ!!



……実は俺、この泣き虫狼のことが好きだったりする。

耳を垂らして俺の後を追いかけてくる狼。

でかいのに可愛くて、気が付けば、狼のことをいつも考えてしまう。

だけど俺は狼とは同性。

男相手に、こんな感情を抱くのはおかしい。

だから狼には秘密にしていた。

だけど、この恋心。


俺だけじゃなかったんだ。





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