*恋色童話集*




chapter:赤ずきん~強気な赤ずきん





実は狼も、俺を好いてくれていた。

それを知った時は、ものすげぇ嬉しかった。

まあ、恥ずかしいから言わないけどさ……。



それにしても……。

まったく、あいつら!!

狼が何もして来ねぇのをいいことに、ほんと進歩ねぇな!!




……だけど俺は知っている。

本当は、狼がものすごく強いこと――。


それは、隣町にいる人間たちが俺をさらいに来る前から、知っていたことだ。


だって狼は、いくら殴られても蹴られても、やり返さない。


それは、人の痛みを知っているからだ。

他人を傷つけることを、狼は嫌っている。

狼は、他人の気持ちを思いやることが出来る、とても優しいオオカミなんだ。


それって、ものすごく強い証拠だ。

だからきっと、今の長のように、狼だってこの村を立派に守ってくれることだろう。

狼の側にいると、すごく安心できるんだ。


だけど狼がいつまでもやり返さないと、狐や兎がずっと図に乗ったままになっちまう。

あいつら、バカだからな。




……しょうがねぇな、だったら俺が――。



「狼を守ってやるからな」

狼が俺を守ってくれたように、俺も……。


「赤ずきんくん……。大好きっ!!」


ガバッ!!
「うわっ」

決意を口にすると、狼が抱きついてきた。


ポンポン。

頭を撫でてやると、狼が俺の身体にしがみつく。


可愛いし……。




俺、恥ずかしくて、あんまりお前みたいに好きって素直に言えないけれど、俺もちゃんと好きだからな。


そういう気持ちを込めて、俺も、たくましい背中に腕を回した。




◆あかずきんくん。**おまけEND◆


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