chapter:とある、うさぎくんの恋愛事情。 大きな目をした二重の軟弱そうに見える僕なんかよりも、ずっとず〜っと格好いい狐くん。 ……でも、やっぱり。 いじめるのは、よくないね。 いくらこの村を守るオオカミ族が弱虫だからって、狼くんをいじめるなんて、よくないよね。 「もう、やめようよ、こんなこと……」 だから僕は、口をひらいた。 「なんだよ! お前も狼の味方かよ!?」 鋭い目が、僕を軽蔑する。 「そうじゃない、僕は!!」 「優しい狼に流されたか?」 狐くん? 違うよ。 そりゃね、狼くんは優しいよ? でも、でも僕が好きなのは、凛々しくて、狼くんをいじめているけれど、実は、この村を隣村の奴らから奪われないよう、見回りをしている責任感がある、狐くんが好きなんだよ。 「なんで……そんな言い方……」 大好きな人に僕の気持ちが理解されてない。 そりゃね、僕は狐くんと同性だし、恋愛対象には見られないかもしれないけれど、でも、でも僕は狐くんを異性として見ているんだ。 赤ずきんくんと狼くんとが想いあっているように、僕も狐くんが好き。 でも、守られるだけの軟弱な僕は、あの二人のようにはいかない。 この想いは、狐くんにはけっして伝わらない。 それどころか、知られれば、きっと気味悪がられるだけだろう。 あらためて思い知ると、息苦しくて、悲しくて、目頭が熱くなる。 涙が、込み上げてくる。 |