*恋色童話集*




chapter:赤ずきん~弱虫オオカミ





「怒ってねぇよ……」

そう言って、項垂れるぼくの頭を撫でる赤ずきんくんの優しい手。

この手がすごく好き。

しばらくゴロゴロと喉を鳴らして赤ずきんくんの喉に鼻の頭を擦りつけていると、赤ずきんくんは身じろぎをしはじめた。


どうしたんだろう?

チラリと視線を上げる。


「来いよ、お前になら、俺を全部やれるから」

赤ずきんくんはそう言って、太腿をひらいた。


ああ、彼は、ボクが赤ずきんくんの全部を奪おうかどうしようかと躊躇(ちゅうちょ)していたの、気づいてたんだ。


だって、だってね、初めてはとても痛いんだ。


本当は、排泄するためだけに使う場所だよ?

赤ずきんくんは女の子じゃない。

だけど男同士で繋がるには、ソコしかない。


大好きな赤ずきんくんを抱きたい。

でも、痛い思いなんてさせたくない。


そうやって躊躇っていたんだ。


それなのに、赤ずきんくんはボクが何に対して躊躇してるのかとか全部わかった上で、それでもいいと言ってくれる。

でも……。


「赤ずきんくん……でも、だけど、ボク……」

赤ずきんくんを傷つけたくないんだ。


胸が苦しくて言葉を続けられない。

胸が苦しいのは、痛みを我慢してまでボクを受け入れようとしてくれる赤ずきんくんの気持ちがわかるからだ。


「俺が欲しいんだろ? 全部やる。俺もお前が欲しいんだ……」





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