chapter:恋って落ちるものだよね 思わず見惚れてしまっていると……。 「きゃああああっ! 有栖川くんと雨宮くんのツーショットよ!!」 女子の声が耳に入った。 ……って……ちょっと待って!? はじめは女子ふたりだけだったハズなのに、なんでこんなに人だかりができてんの? 周りを見渡せば、女子、女子、女子!! 女子の群れ。 しかも同じ制服を着た人ばかりに囲まれてる。 おかげでぼくの固まった思考は動き出す。 ――恥ずかしい。 なんでこんな公衆の面前で……。 しかも、女子の群れの中でお姫様抱っこされてるの? 「いい!! 平気!! なんでもないから、降ろして!!」 お願いっ!! 大きい声を出して霧我に話すと、やっとぼくを地面に降ろしてくれた。 ……はずなのに……ぼく、おかしい。 地面がやわらかい布みたいにホワホワしているんだ。 それに……身体があつい。 「鈴?」 「っつ!!」 上の空だったぼくに、霧我が声をかけてくる。 ――霧我との距離が近い。 ぼくの耳に、霧我の声といっしょに息もかかる。 ……だめ。 さっきよりももっと身体があつくなる。 心臓も破裂するかっていうくらい鼓動してるし、早く離れなきゃ!! 霧我におかしな人間だと思われてしまう。 「あ、なんでもない。早く学校行こ!!」 |