chapter:★猿だって木から落ちるんだよ★ 真っ白い朝の光が生徒会室を明るく照らす。 さわやかな風がぼくのちょっと苦しい心に入り込んで、楽にさせてくれる。 だけど、同時に霧我の心配する視線が背中にチクチク突き刺さる。 ぼくの斜め後ろの席に座っている紅葉を横目で見れば……それ見たことかと言うように肩をすくめていた。 ――違う。 違うよ。 そんなんじゃない。 きっと……絶対。 霧我はそうじゃない。 霧我のは、ぼくと同じ『好き』の部類じゃない。 ぼくは紅葉の言葉によって淡い期待を抱かないよう、小さく首を振った。 |