お願い、ギュッてして!
☆第一話☆





chapter:恋って落ちるものだよね






ほっと一息つくと、『何があったの?』って訊ねようと口を開けると、彼女たちは同時に、ぼくに尋ねてきた。


「鈴くん、いったいどうしたの?」


「何かあったの?」



――え?


どうしたのって……ええっ?


ぼくが訊(き)かれちゃうの?


何かもめていたみたいだから、「どうしたの?」って、ぼくが尋ねたいのにどうしてそうなるの?


「なんで2人とも、ぼくの名前知ってるの?」


……って、ぼくもそうじゃない!!


自分はいったい何を訊いてるんだろう。

そう思っても、たしかに疑問はそっちになったり。


う〜ん。

だからいつも紅葉(もみじ)に話が突飛すぎるって言われるんだよね。


あ、紅葉っていうのはぼくと同じ生徒会メンバーで、副会長をしてるんだ。

彼にはいつも注意されっぱなし。

でも、この性格はしょうがない。

これはぼくの短所でもあるけど、長所でもあるんだ。


あ、長所って言ってくれたのは、『彼』なんだけどね。


『彼』っていうのは……。


「あ、そんなこと? そんなの決まってるじゃん!! 鈴くんかわいいので有名だし、生徒会だし?」


そんなことを思っていると、女子のひとことが気になってしまった。

それは、『かわいい』という言葉。


だってかわいいって……ぼく、男です。


ショートカットの女子が胸張って答えた言葉に、カチンと固まっていると、もうひとりの女子が口をひらいた。





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