chapter:恋って落ちるものだよね ほっと一息つくと、『何があったの?』って訊ねようと口を開けると、彼女たちは同時に、ぼくに尋ねてきた。 「鈴くん、いったいどうしたの?」 「何かあったの?」 ――え? どうしたのって……ええっ? ぼくが訊(き)かれちゃうの? 何かもめていたみたいだから、「どうしたの?」って、ぼくが尋ねたいのにどうしてそうなるの? 「なんで2人とも、ぼくの名前知ってるの?」 ……って、ぼくもそうじゃない!! 自分はいったい何を訊いてるんだろう。 そう思っても、たしかに疑問はそっちになったり。 う〜ん。 だからいつも紅葉(もみじ)に話が突飛すぎるって言われるんだよね。 あ、紅葉っていうのはぼくと同じ生徒会メンバーで、副会長をしてるんだ。 彼にはいつも注意されっぱなし。 でも、この性格はしょうがない。 これはぼくの短所でもあるけど、長所でもあるんだ。 あ、長所って言ってくれたのは、『彼』なんだけどね。 『彼』っていうのは……。 「あ、そんなこと? そんなの決まってるじゃん!! 鈴くんかわいいので有名だし、生徒会だし?」 そんなことを思っていると、女子のひとことが気になってしまった。 それは、『かわいい』という言葉。 だってかわいいって……ぼく、男です。 ショートカットの女子が胸張って答えた言葉に、カチンと固まっていると、もうひとりの女子が口をひらいた。 |