chapter:★ライバル登場★ ほんとうは、忙しいから無理だと言いたい。 だけど、嘘をつけないのがぼくの欠点だ。 素直にうなずいてしまう。 「よかった。少しですむから」 そう言って、気が強そうな女子は三つ編みの女子の手を引いて先頭を歩いていく。 沈黙が緊張感を上塗りさせながら、屋上へと続く階段をひたすら進むぼくの両足は、まるで鉛をつけているみたいに重たかった。 いつもより長いと思ってしまう屋上へ続く階段の行き止まりに着くと、端っこが茶色く錆びている緑色の扉がぽつりと存在していた。 女子の手によって重々しくギシギシと音を立てて開かれた扉の外は、傾きかけたオレンジ色の夕日があった。 直線上に延びてくる眩しい夕日を防ぐため、視界を細くして前方にいる女子ふたりと向き合った。 しばらくの沈黙が続く中、つり目の女子が後ろに控えている三つ編み女子を肘でツンツンと押し、早く言えとうながす。 だけど、三つ編みの女子は顔をうつむけてジッとしていた。 「ああ!! もう、ホラ!!」 「へ? あわわっ!!」 つり目の女子に背中をドンと叩かれ、ぼくの前に出る彼女の顔は……夕焼けよりも赤く染まっていた。 かわいい。 それは、彼女の仕草や表情でぼくが最初に思った印象だ。 三つ編みの女子は突き飛ばされて一瞬よろめいたものの、崩れた姿勢を元に戻し、チラチラとつり目の女子を見て、目を閉じた。 |