chapter:★ライバル登場★ 三つ編みの女子はぼくの手を掴み、白い封筒をぼくに握らせ、屋上にやって来た時とは打って変わって、軽快な足取りで出て行った。 残されたぼくの中にあるのは……痛むこころと苦しくなる心臓。 渡された封筒を持つぼくの手は、三つ編みの女子がぼくに手紙をお願いした時と同じくらい震えている。 「っく…………」 ――言えなかった。 「……ひっく………」 断れなかった。 だって……彼女の手が小刻みに震えていたから……。 だけど、断りたかった。 「ふっ…………」 あの子は、霧我が好きって言えるっていいね。 僕は言えない。 霧我に、『好き』なんて言えない。 だって、だって……ぼくが言ったら、霧我に気持ち悪いって思われちゃう。嫌われちゃう。 「ふぇ…………」 好きって、言えるっていいね。 言いたい。 ぼくだって言いたいよ。 霧我が好きだって……ぼくだって言いたい。 「ふぇ……ふえぇぇ……」 胸、ズキズキ痛いよ。 苦しいよ……。 ポロポロ、ポロポロ。目からあふれ出てくるのは、悲しみの涙。 その後数時間は生徒会室に行くことができなくて、ぼくは屋上でしゃがみこみ、ひとり、泣いていた。 |