お願い、ギュッてして!
☆第一話☆





chapter:恋って落ちるものだよね






あ、あった。


太い木の枝のとこ。


そんなに高くないところ。

ちょこんと羽が乗っている。


「よし!! ぼくに任せて!!」


そう言って、ぼくは木の幹に足を引っ掛け、少しずつ登りはじめた。


下では女子二人が危ないよと声をかけてくれる。


でも、大丈夫だよ。ぼくは木登り得意だし……。


そうやっている間にも、手と足はグングン羽へと向かって進んでいく……。



よし……もうちょっと!!



目的の木の枝を目の端でとらえると、方向転換をして隣の大きな枝に足をかける。



手を伸ばせば……よしっ!! 取れた!!


羽の先端に触れると、一気に掴んだ。



「取れたよ!!」


木の枝に乗って下にいる女子2人に声をかけたその時だった。



……グラッ。



あれ?



ぼくの身体が横になっていく……?


太い幹に絡ませた足が、重力によって解かれていく……。


このパターンって……もしかして……。


――落ちるの!?



……なんて思っていると、下目掛けて身体が一直線に……。



「きゃああああっ!!」


「鈴くんっ!!」



ぼくは落ちるのを覚悟してギュッと唇をかみしめる。

やがて、とてつもない振動がぼくを襲ってくることを待って――。


それなのに、いつまで経っても振動は襲ってはこない。


それになんだろう。


女子悲鳴が、何か違ってきているような……。





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