お願い、ギュッてして!
☆第七話☆





chapter:☆言葉、伝えられなくて……☆





「……ず」

「……ず!!」


はれ?

霧我の声が聞こえるなんて、ぼくの耳、そこまでおかしくなったのかな。


外部から聞こえてくる声に閉ざしたまぶたをひらいていけば、そこには一重の目。眉根を寄せて心配している……彼がいた。



「え? あ、霧我……どうしたの?」


涙でぼやけてしまった目をこすって、クリアーな視界を取り戻す。


そして、まばたきしても、目の前にはやっぱりぼくの好きな人がいた。



「どうしたのって……お前……。なかなか生徒会室に来ないから心配したんだぞ? こんな時間までいったいひとりで何をしているんだ。ここにいる理由は何だ? 何かあったのか?」


霧我に早口でまくしたてられてしまう。

だけど、泣いていたぼくの頭は真っ白だから、何を言われているのか全然わからない。

言われるまま、口をぽかんと開けてまばたきだけを繰り返す。


そうしたら、涸(か)れていたと思った涙が、目からポトリこぼれ落ち、ほっぺたを伝って流れていく――……。


霧我が……生徒会に顔を出さないっていうだけで、ぼくを探しに来てくれた。


ぼくを待ってくれていた。


それだけがぼくの胸をギュッとしめつける。



「鈴? まさか、誰かにいじめられたのか?」

心配そうな声は震え、涙で濡れたほっぺたを親指でぬぐってくれる優しい霧我。


「なに……も……」





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