chapter:☆言葉、伝えられなくて……。☆ 言葉が詰まって出せないのは、胸いっぱいにあふれている優しい霧我への想いを言いそうになるから……。 ――でも、言えない。 言ったら最後、霧我はぼくから離れてしまう。 気持ち悪いと……そう言われて……拒絶される。 そんなの……耐えられない。 せっかく霧我の隣にいれてるのに、自分からそのポジションを離脱することになるなんて、そんなのイヤだ。 友達としてでいい。恋人になりたいとか望んじゃダメ。 「むが……」 「なんだ? やはりいじめられたのか?」 心配そうに顔を近づけて、ぼくを見つめる優しい霧我に、ブンブンと頭を振って、右手に持っていた真っ白い封筒を広い胸に押し付けた。 泣いちゃダメ。 『恋心を言わない』が正解なんだから……。 自分を奮い立たせて、精一杯微笑む。 「コレ、霧我が好きな子から渡してって頼まれちゃって……」 ズキズキ、ズキズキ。 痛むのはぼくの胸。 本当は、こんな橋渡し役なんてしたくないのに、意志を無視した行動がさらにぼくを苦しめてくる。 「す……」 「っ、そのあとでお腹が痛くなったの。だけど、もう大丈夫。ここで少し休んだから……」 霧我が何かを言いかけたけど、そんなの聞きたくない。 聞いたら最後、自分の想いを言ってしまいそうで怖い。 だから、冷たい地面から腰を上げて霧我から離れた。 「鈴?」 |