chapter:☆お願い、ギュってして。☆ 霧我は律儀だから。ひとつひとつの言葉をそうやって受け止めて、考える。 そんな、いつも真剣な霧我が好き。 泣いているのに、つい、クスクスと笑ってしまう。 そんなぼくを訝(いぶか)しげに見つめていた霧我は、ぼくと視線を合わせた。 真っ直ぐな目だ。 ――うん、この目もすき。 「……いや、むしろ謝らなくてはならないのは、俺の方だ。鈴の気持ちを知らなかったとは言え、ひどいことを言ってしまった……」 それは、裏庭でのことだね? ヘンな霧我。 ぼくの想像の中の霧我なのに、これが現実みたいに謝ってくる。 それって、ぼくが……謝ってほしいって思っているのかな……。 「むが?」 霧我は悪くない。そう言おうとしたら、口にチャックされるみたいに、霧我の長い人差し指がトンって乗った。 「鈴、裏庭で女子に言った好きな人っていうの……アレ、鈴のことだ」 な……に? 霧我は何を言っているの? 「言えなかった。同性を好きだなんて、言えるわけないだろう?」 どうして? どうしてそんなに欲しい言葉を言っちゃうの? ひどい。 ぼくの夢の中の霧我はひどい!! 現実に戻った時、霧我に嫌われたぼくは、どうやって過ごせばいいの? 「やめて……やめてよ!! そんなこと言わないで!!」 「鈴?」 |