chapter:☆好きっていう気持ち☆ そうしたら、自然と涙も出てきちゃうわけで……ぐにゃりと視界が歪んでくる……。 「ああ、ストップ。スト〜ップ!! 鈴、泣くな!!」 ぼくの顔はたぶん泣き顔になっているだろうから、シワくちゃだと思う。 紅葉は両方の手のひらを向けて、降参だと言わんばかりに、目の前までやってきた。 すごく慌てているのがわかる。 だけど……でも……涙は引っ込んでくれないわけで……。 ぼくの口は、への字に曲がっていく――。 「遅くなってすまない」 そんな時だった。 今、と〜っても顔を合わせたくない人が静かにドアを開けて室内に入ってきたんだ。 ぼくは、こっちに向かって歩いてくる人物から泣き顔を見られないようにと、そっぽを向いた。 なのに……。 「鈴? どうした?」 その人は、うなだれているぼくを視界に入れると顔を覗き込もうとしてくる。 やだ。 やだやだ!! 泣き顔とか、いつもよりずっとブサイクになるから見られたくない。 でも、笑顔もダメだっていうなら、いったいどんな顔をして向き合えばいいの? 混乱する頭で、どうしていいのかわからず、ただしゃくりを上げてしまう。 「霧我、ちょうどいい所に来てくれた」 紅葉はまるで救いの神様か何かがやって来たと言わんばかりだ。 「鈴? どうした?」 優しい霧我は、そうやって落ち込んだ時とかヘマした時、いつも寄り添ってくれる。 |