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「今夜だと?幾ら何でも……」

赤羽の言葉を遮り、飛龍が輝夜の方を見た。

「この娘が領主の手下を村から追い出した。小物は小物らしくこれまで大人しく従って来た村人が反乱を企てたのではないかと慌てるだろう。少しでも間を開ければ、奴は今以上に力ずくで民を押さえ付けに掛かる。だが今夜ならば、まだ慌てている段階だ。この機を逃す手はあるまい」

「しかし、何と言って軍を動かすつもりだ?領主討伐を掲げる訳には行かないだろう」

「だから軍は捕らわれた村人の救助という大義名分の元に動かす。軍を二つに分け、本隊が屋敷への襲撃と村人の救助を行う。そのついでに領主を屋敷から追い出してくれれば良い。そして別動隊が逃亡した領主を討つ。表向きは己の罪を悔い、自害したとでも言えるだろう」

飛龍の声は堂々としていて淀みが無い。

この時ばかりは赤羽も扶鋤も言葉を挟まずに耳を傾ける。

「あまり目立つ動きは出来ない別動隊は俺と赤羽、後は数名の兵だけで良い。本隊の指揮は扶鋤に任せる。輝夜も本隊と共に行動してくれ」

「分かったわ」

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