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夜の闇の中、高千穂の軍は進軍を開始した。

領主の屋敷の近くまで来て、扶鋤は輝夜を探るように見る。

「どうだ?解けるのか?」

屋敷の大きさに対して見張りの数が少ない。

やはり結界があるから必要無いと思っているのだろう。

「やってみるわ」

輝夜が目を閉じ、感覚を研ぎ澄ませる。

何も見えなくなった視界に、やがて黒い霧のようなものが見え始めた。

(これが、呪詛ね)

耳を澄ませると、捕らわれた神の嘆きが聞こえて来る。

これまでに感じた事の無い冷気が心に直接流れ込んで、引きずられそうになる。

(もう大丈夫よ。今、解放するわ)

冷たさに逆らうように自分の声を送り込む。

荒ぶる魂を鎮める、祈りを捧げる。

(どうか届いて)

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