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そして辿り着いた最も奥の部屋は豪奢で、すぐに領主の私室だと分かった。
そこに、太った男の姿があった。
「お前が領主だな」
扶鋤が太刀を抜いて言うと、領主は側にいた部下を前に押しやった。
「何をしている、さっさと戦わんか!命を賭けて俺を守るのが貴様の仕事だろう!」
「そ、そんな領主様!」
「……最低ね。自分の部下を盾にするなんて」
「思った以上に小物だな」
武器を構えた二人を見て領主は後ずさり、部下に向かって怒鳴る。
「後は何とかしろ!」
言い捨てて、自分は身を翻した。
その先に外へ続く抜け道がある事を知っていたが、敢えて追わずに武器を下ろす。
「こういうところで本性が出るのね、人って」
「もう敵わないと見て取ったんだろう。思ったよりもあっさり片付いたな」
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Reservoir Amulet