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「有り難う。この方がいいわ。旅の間に慣れちゃったから」
肩をすくめた輝夜に角鹿が訊いた。
「貴女はどうして男の格好をしていたんですか?」
「一人旅は危険だから」
「そうか、そうだよなあ」
赤羽は頷いて輝夜の方を見た。
「輝夜は何処から旅をして来たんだ?」
「出雲の側の村よ。最初はまほろばを目指すつもりだったのだけど、途中で高千穂の噂を聞いて行ってみようと思って」
「……出雲から、一人で?」
驚いたように角鹿が聞き返す。
「ええ。自分でも無茶だって分かっていたけど、どうしても会いたかったの。……帝に」
目を向けた飛龍を真っ直ぐ見返して続ける。
「会えないとしても、まほろばへ行けば。少しでも近くへ行けば分かるんじゃないかと思ったの。貴方が豊葦原をどう見ているのか」
「それで分かったのか?」
「いいえ。まだ分からないわ。訊いたとしても貴方は本当の事を答えてくれないでしょうし」
輝夜は蒼い瞳を鋭くして言い放った。
「だから、見せて貰うわ。行動は言葉より正直に心を語る事もあるから。貴方が帝として豊葦原をどうして行きたいと考えているのかを」
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Reservoir Amulet