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高千穂の地にある軍の砦に向かっていた二人は、その数日間で何度か足止めをさせられた。

八百万の神々の中でも荒ぶる神、旅人が恐れる荒御魂【あらみたま】が存在するからだ。

神が人間に牙を向けては、成す術など無い。

道行く人は荒ぶる神に怯えながら、無事を祈り進む。

しかし飛龍と赤羽は何度か出くわした荒御魂を、武力で払い退けて先を急いだ。

飛龍は光の血を引いており、荒御魂が害意を持って襲い掛かって来る事などとうに慣れている。

ただ飛龍に出来る事は荒ぶる神を斬って封じる事で、神々と対話して鎮める事は出来ない。

それが出来るのはほんの僅かの人間だけで、巫女と呼ばれる者である。

だが今では対話が出来る存在はごく僅かだ。

だから修行を積み気を感じて、普通の人では分からない変化に気付ける者を広く巫女と呼ぶ。

それでも巫女が一人でも供に加われば、旅の危険はずっと減る。

だから以前から赤羽や角鹿が何度か提案しているのだが、飛龍は断固として承知しなかった。

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