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飛龍が手を伸ばし、不器用に輝夜の涙を拭う。
「分かった。俺は俺なりに、この豊葦原を救ってみせれば良いのだろう。お前に言われずとも考えている。だから泣くな」
「飛龍、泣いている子供には弱いのね」
「当然だ。こちらが悪い事をした気になるからな」
輝夜はまだ濡れた瞳を上げて、飛龍を見詰めた。
「でも、本当ね?さっき言った事」
「自分で言い出したのだろう。俺を信じて任せろ。望む望まずに関わらず、帝になってしまったからには俺がやらねばならんのだ」
「ええ、そうね」
雨の間だけの、束の間の語らいが与える。
まだ深く漂う、心の声。
泣きたくなる程の苦しみさえ、人は前に進む力に出来るから。
ほんの少し、心を明かして。
先へ行こう。
その瞳で遠く見詰める、贖いの未来に僅かな慰めを。
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Reservoir Amulet