16


「……お前にまともな返答を期待した俺が馬鹿だったぜ」

飛龍が笑って、繋いであった馬に近付く。

「急ぐぞ。今日中には高千穂に着かねばな」

「着いたらすぐに領主を倒すのか?」

身軽に馬に飛び乗りながら、飛龍は首を振った。

「いや、少し村の様子を探ってみようと思っている」

「別にいいけどよ、お前って本当変わってるよな」

「飽きないだろう?」

馬が走り出し、体が風を切る。

先程の会話を思い起こして、飛龍の口元が皮肉そうに歪んだ。

本当に、神が相手ではどうしようもない。

例え神が人間に愛想を尽かしたとしても、足掻きようもない。

そして、もしも自分が神だったのならとっくに人間など見限っているだろう。

だからこそ、現実にそうなってしまう前に。





- 16 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet