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角鹿は少し考えてから口を開いた。

「つまり、飛龍殿が帝に相応しくなければ、共におらずに縁を切っていると?」

「そうね。帝なら誰でも良い訳では無いから。私は人間の立場なんて興味は無いから、帝に付いて行く事でそれを得ようなんて考えはしないわ。飛龍だから、意地でも付いて行こうと思ったのよ」

「どうしてですか?」

「だから、私がそう思ったからよ。飛龍が高千穂で私と出会った。その事実が大切なの。そして会ったからには私の全てであの人の力にならなければならない。それだけの事よ」

角鹿は思わず黙り込んだ。

何処となく飛龍とこの少女が似ているような気がした。

明るく伸びやかな声の調子が、はっきりと自分の考えを話す口調が。

自分には見えない遠くを見ているように感じるところも。

「よく分からないのですが」

「そうかもしれないわね。でも私には私の考えがある、それは事実よ。飛龍が世界を変えるから、私は側にいる。体は離れても、意志は共に在る。そしてこの戦いは、飛龍がそう出来るか決まる機会となるわ」

「飛龍殿が世界を変えなければ、彼はいなくても良いと?」

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