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「輝夜?」

不意に声に躊躇いのようなものが混ざった気がして名を呼ぶと、輝夜はふっと息をついた。

「こんな筈じゃ無かったのに、どうしてかしら。側にいて、あの人の苦しみや悲しみを知ってしまうと」

胸が締め付けられて、どうしようもなくなる。

「何を置いても願ってしまうの。飛龍自身の幸せを」

自分には、そんな資格は無いのに。

「出来るなら、ずっと……」

輝夜の言葉は途中で風に流され消えて行った。

その先を口にしてはいけない事は分かっていた。

自分の成すべき事、やらなければならない事の為に。

時に戸惑う程、強い感情を眠らせて。





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Reservoir Amulet