04


「どうした?角鹿」

「いえ、何でもありません」

『帝は飛龍でしか有り得ない。あの人はこの世界を変えるわ』

だからこそ、世界の前には個人の幸福など敵わなくて。

そんなものを最初から切り捨てて進む孤独を。

『願ってしまうの。飛龍自身の幸せを』

分け合える存在と出会えたなら、少しは自分を大切にするだろうか。

死に急ぐような焦燥を振り切って、穏やかな安らぎに手を伸ばそうとしたりするのだろうか。

もしもそうなら、側で仕える自分も少しは安心出来るのだが。

「まあとにかく、貴方は此処で大人しくしていて下さいね。下手な事をして、彼女に火の粉が掛からぬように」

「分かっている。俺も信用が無いな」

「日頃の行いが悪いからでございましょう」

- 174 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet