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そこへ、足音と同時に声が聞こえて来た。
「おい、飛龍。言われた事は片付けて……」
顔を覗かせた赤羽は、角鹿の姿を見ると言葉を切った。
「おっと角鹿、帰ってたのか」
「はい。お久し振りですね、赤羽。私がいない間に頼まれた事は終わったようで、お疲れ様です」
「あー、まあその、何だ……」
口ごもった赤羽を見て、角鹿がにこやかに飛龍に向き直る。
「おかしいと思いましたよ。赤羽ではなく私を輝夜の供に付けるとは。私を体よく追い払って、何をしていらっしゃったのですか」
「大した事ではないぞ。まほろばの軍の大将を解任しただけでな」
さらりと応じた飛龍に、角鹿が一瞬言葉を失う。
「な……今そんな事をやっている場合ではないでしょう!いつ筑紫が動くとも知れないと言うのに!」
「俺もそう言ったんだがなあ。勅命を出されちゃ従うしかねえよ。思った通り反発も凄いし」
「全く、この非常時に更に混乱を煽ってどうするのです!戦が始まると分かっておられるのですか」
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Reservoir Amulet