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「当然だ。そして今、輝夜がまさにその地に一人でいる事もな」

飛龍の声の調子に、角鹿ははっとした。

心配だとも寂しいとも口にはしないが、身を裂かれても会いたいと最も強く思っているのは。

命を下したこの男なのかもしれない。

飛龍は僅かに調子を変え、話を続けた。

「覚えているな。纏めて掃除に取り掛かると言った事を。機は熟した。いよいよ大掃除を済ませるぞ」

不敵な微笑と自信に満ちた声に、赤羽と角鹿は姿勢を正して指示を待つ。

「まずは高千穂宮、扶鋤に遣いを出せ。戦に備えさせろ」

「筑紫に直接当たるのは、高千穂の軍のみと言う事でしょうか」

「俺が信用出来る軍は、それしか無いのが現状であろう」

飛龍は苦笑気味に二人を見た。

「筑紫の狙いは、領主の狙いは何だと思う。恐らくは帝位に関係する事だぞ」

「お前の首が欲しいってのか」

「前もってかなりの準備をしていたらしいからな。それ位は狙っていてもおかしくはない。しかし筑紫からまほろばまで攻め込むのは、かなりの手間だ。上手く行かない可能性の方が高い。だから筑紫で乱を起こし、注意を集める。そして混乱に乗じて、近くから此処を攻める。向こうの筋書きはこんな感じだろうな」

「では、既に筑紫は各地軍を買収していると?」

「多分な。高千穂以外の軍の大将は、金で動く連中だ。当てにすると痛い目を見るぞ」

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