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飛龍は探るように辺りを見回し、微笑んで続けた。
「だが、どうも覇気が無いな。退屈していたというところか」
そう言うと、赤羽の方を見て提案する。
「赤羽、訓練に付き合ってやれ。手加減はいらんぞ」
「あ、ああ。それは構わねえが……」
「うわっ、赤羽殿が手加減無しなんて敵いませんよ」
思わずぼやいた兵には構わずに、飛龍は更に言葉を重ねる。
「やる前からそうでは勝てるものも勝てぬ。赤羽、この際だ。思い切りしごいてやれ」
「そ、そんなー!」
「近々、皆には戦いに出てもらわねばならんからな」
歩きながら最後に付け足した飛龍の言葉を聞いて、兵達がざわめいた。
「本当ですか!赤羽殿」
「よーし、そうなりゃこうしちゃいられねえ!」
「手合わせお願いします!」
急に士気が上がった兵の様子を見て、赤羽は思わず苦笑する。
どう考えても、飛龍には宮中などよりも此処の方が似合っている。
それなのに、どうして。
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Reservoir Amulet