11


受け取った文を懐に仕舞った賢彰が、廊にいる輝夜を見る。

「それで、どうでしたか」

「上手くやれたと思うわ。取り敢えず分かった事は書いておいたけれど」

「様子を見ていると、水晶の君はかなり向こう見ずですからね。気を付けて下さいよ」

溜息をついた賢彰は、普段は高千穂の軍にいる兵だ。

警護の者を装い、輝夜より少し遅れてこの屋敷に潜り込んで来た。

こうして輝夜の探り出した情報を、まほろばへの使者に渡す役目を与えられている。

扶鋤に命じられたそうだが、輝夜はその更に上からの指示があったに違いないと思っている。

「あら、大丈夫よ。取り敢えず領主の方はそんなに警戒する程の人でもないわ。本当に注意すべきは……」

「うわっ、そんな事軽々しく口にしないで下さいよ。僕は御免ですよ、こんな所で殺されるのは」

「安心して。その時は私が庇ってあげるわ」

賢彰は複雑な顔で言った。

「僕はこれでも男ですよ。女性に守ってもらおうなんて思ってません。前も思ったんですけど、貴女のその自信は、一体何処から来るんですか?」

- 181 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet