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輝夜が以前高千穂で軍に加わった時に、賢彰とは一度顔を合わせている。
その為か、此処で再び会ってすぐに親しく話せるようになっていた。
「信じているからよ。私達が仕えるべき人は、絶対に何があっても私達を見捨てたりしないと。だから、何かあったら助けに来てくれるわ」
「……まほろばからですか?」
心許無さげな賢彰を見て、輝夜は微笑む。
まほろばの帝と高千穂軍の大将が同じだと知ったら、分かってもらえるのだろうか。
その前に驚きのあまりひっくり返ってしまうかもしれないけれど。
「そうしたら丁度良いわね、出世出来るかもしれないわよ。賢彰が此処に遣わされたという事は、信頼されているんでしょうし」
「そうですかねえ。何だか輝……じゃない、水晶の君は帝の事をよく知ってるみたいですね」
輝夜はこれには答えず、笑って賢彰の肩を叩いた。
「さあ、内緒話は此処までよ。文をお願いね、戦は近いわ」
さっと表情を引き締めて賢彰が一礼するのを確認し、その場を後にする。
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Reservoir Amulet