12


輝夜が以前高千穂で軍に加わった時に、賢彰とは一度顔を合わせている。

その為か、此処で再び会ってすぐに親しく話せるようになっていた。

「信じているからよ。私達が仕えるべき人は、絶対に何があっても私達を見捨てたりしないと。だから、何かあったら助けに来てくれるわ」

「……まほろばからですか?」

心許無さげな賢彰を見て、輝夜は微笑む。

まほろばの帝と高千穂軍の大将が同じだと知ったら、分かってもらえるのだろうか。

その前に驚きのあまりひっくり返ってしまうかもしれないけれど。

「そうしたら丁度良いわね、出世出来るかもしれないわよ。賢彰が此処に遣わされたという事は、信頼されているんでしょうし」

「そうですかねえ。何だか輝……じゃない、水晶の君は帝の事をよく知ってるみたいですね」

輝夜はこれには答えず、笑って賢彰の肩を叩いた。

「さあ、内緒話は此処までよ。文をお願いね、戦は近いわ」

さっと表情を引き締めて賢彰が一礼するのを確認し、その場を後にする。

- 182 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet