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漣星の説明は筋が通っているように思える。
本当の事もあるだろう。
でも、それだけなら。
「本当に民の事を思うなら、戦を起こすなどとは考えもしない筈です。そんな事になれば、今より多くの犠牲が出ます。貴方は義が自分の方にあると見せ掛けて、試したいだけなのではないのですか?帝が、本当に帝であって良いのかを、光と争う側の者として」
「…………」
何も言わない漣星に、輝夜は更に言葉を重ねる。
「もしもそうなら、こんな方法を選ばずとも、関係の無い人々を巻き込まずとも、直接帝に会って確かめれば良いでしょう。それが最も手っ取り早くて確実ですよ」
「簡単に言ってくれるね。だけど会える訳が無いよ。特に僕のような、闇の者では」
「そんな事ありません。案外面白がって会ってくれるかもしれませんよ」
或いはそこらをぶらぶらしている所に、ばったり会うかもしれない。
飛龍は供も付けずに出歩いているのだから。
(そういえば私も、戦っている最中に突然出会ったんだったわね)
あの時の事を懐かしく思い出して微笑んだ輝夜を、漣星が不思議そうに見る。
「まるで帝その人を知っているように言うんだね」
それには答えずに、輝夜はきっぱりと言い放つ。
「知らないのに最初から駄目だと決め付けるのは、愚か者のする事ですよ。自分で確かめなければ分からない、真実もあるでしょう」
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