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「そりゃ良い考えだ。頑張れよ、飛龍」
「それでは、失礼致します」
二人は飛龍に口を挟む隙も与えず、さっさと退室してしまった。
後に残された帝は一人、珍しく困り果てた表情を浮かべる。
「……恋文だと?」
今まで、そんな物を書いた事など一度も無いのにどうしろと。
適当な内容を適当に綴ってしまおうか。
考えながら息を吐き、輝夜からの報告書を見やる。
読んでいても面白くもない相手の内情。
戦へと近付く物騒さを秘めた文章。
ちらつく闇の者の影。
淡々と書かれた文の最後の言葉だけが、とても輝夜らしい気がする。
多分、彼女には深い意図なんて無い。
当然のように心配して、当然のように書いた。
ただ、それだけだ。
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Reservoir Amulet