03
しかし、二人が向かった飛龍の部屋には誰もいなかった。
いつも飛龍が座る所に一通の文が置いてあるだけだ。
二人は嫌な予感にかられて顔を見合わせたが、取り敢えず赤羽がその文を広げる。
一度黙って目を通した赤羽の顔色が変わったのを見て、角鹿は尋ねた。
「何と書いてあったんです?」
「……『少し筑紫に行って来る。後は適当に頼んだ』だと。あいつ、まほろばを守ってるのは何の為だと思ってるんだ!狙われているのにわざわざ出向く奴があるか!」
「油断していましたね。そう来るとは」
やれやれと息をついた角鹿は、無人の席を見やった。
「まあきっと、深いお考えがあっての事でしょう」
「……どうした、やけにあっさりした反応じゃねえか」
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Reservoir Amulet