07


漣星は蛇集の側に控えたままの采女の方をちらりと見た。

無かった事にした筈の、夜の一時に交わした会話。

あれからまだそんなに経っていないのに。

事態がこうも変わって来るなんて。

あの娘は、こうなる事を分かっていたのか。

一瞬目が合うと、水晶は蛇集には決して向けない眼差しで微笑んだ。

妙に強く鋭い、全てを見透かすような瞳。

まさかとは思うけれど、あの水晶という娘は。

筑紫の謀反と同時に囁かれる噂の内容を思い出し、漣星は口を開いた。

「やはり、帝には敵わないという事なのでしょうか」

「何を言うか。国を荒らしたのは帝だぞ。他ならぬ先帝だろう」

「しかし、帝こそが民の拠り所なのです。それを奪おうとする我々は、民の目から見ればただの反逆者。孤立するのも仕方がありません」

「漣星、貴様!」

- 200 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet