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筑紫は混乱していた。
集まっている帝の軍と孤立状態が、有利と思っていた戦を難しくしている。
全てがこちらに上手く吹くよう、前もって準備していたにも関わらず。
帝により、何もかもをひっくり返された。
蛇集を慕い崇める声が誹謗へと変わる。
有能な領主との評価が、反逆者へと変わる。
正しいのはこちらの筈なのに。
治める権利さえあれば、帝よりも上手く国を導いて行けると。
そう考えていたのに。
「蛇集殿、あちらの軍は数を増す一方です。集めていた兵も脱走している為、こちらの戦力では太刀打ち出来ません」
「脱走を許すな。見張りを厳しくしろ」
漣星は僅かに冷めた目で応じる。
「そうしたところで戦力の差は明らかです。それに無理矢理留めても、兵の士気は上がりません」
「ならばどうしろと言うのだ!」
怒鳴った蛇集には、沈黙だけが返される。
戦う以外の選択肢はある。
ただ、認めたくないだけで。
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Reservoir Amulet