15


深く溜息をついた赤羽が、怪訝そうに角鹿を見る。

「どうした?何だかやけに楽しそうじゃねえか」

「いえ、お二人が帰って来た時に、祝言の準備をせよとか言われたらどうしようと思いまして」

「祝言って、飛龍と輝夜か?あの噂は嘘だろう?」

角鹿は笑みを浮かべて、以前の輝夜の言葉を思い返した。

『高千穂で私は飛龍と出会った。会って一緒にいるようになって、この人しか無いと確信した』

「案外本当になるかもしれませんよ。輝夜の熱意には、私も頭が下がりますし」

「そうだなあ。しかし飛龍じゃ輝夜は苦労するだろうなあ」

先が思いやられると言うように頭を振りながらも、赤羽は言う。

「じゃあ、その時の為にも此処をしっかり守ってやらねえとな」

「ええ、そうですね」

帰る場所は、此処にあるから。

帰って来てほしい、どうか無事で。





- 208 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet