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深く溜息をついた赤羽が、怪訝そうに角鹿を見る。
「どうした?何だかやけに楽しそうじゃねえか」
「いえ、お二人が帰って来た時に、祝言の準備をせよとか言われたらどうしようと思いまして」
「祝言って、飛龍と輝夜か?あの噂は嘘だろう?」
角鹿は笑みを浮かべて、以前の輝夜の言葉を思い返した。
『高千穂で私は飛龍と出会った。会って一緒にいるようになって、この人しか無いと確信した』
「案外本当になるかもしれませんよ。輝夜の熱意には、私も頭が下がりますし」
「そうだなあ。しかし飛龍じゃ輝夜は苦労するだろうなあ」
先が思いやられると言うように頭を振りながらも、赤羽は言う。
「じゃあ、その時の為にも此処をしっかり守ってやらねえとな」
「ええ、そうですね」
帰る場所は、此処にあるから。
帰って来てほしい、どうか無事で。
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Reservoir Amulet