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もしも向こうが攻めて来たなら、犠牲が出る可能性がある。

真に民を思うならば、領主は降伏という道を選ぶ。

己の誇りを地に捨て去っても、民を案じる者ならば。

しかしそうでなく、無謀にも討って出るなら。

犠牲を省みず、己の誇りを守ろうとするなら。

その時は、戦いになる。

犠牲を最小限に留めよ。

兵も今は忠義から領主に仕えてはいない。

なるべく説得して投降させよ。

飛龍は屋敷に入る前、扶鋤にそう言い残した。

果たしてあちらはどう動くのか。

降伏か、それとも。

その時、様子を見ていた賢彰が大声で告げた。

「屋敷に動きあり!攻めて来るようです!」

「……成程、そう来るか」

扶鋤は太刀を抜きながら、一瞬だけ瞳を屋敷の方へ向けた。

二人の上に、武運を。





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