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静けさが破られた。

武器がぶつかる音、兵達の声。

戦いの音が外から聞こえて来る。

采女の手から酌を受けている蛇集の元に、漣星が慌ただしく近付く。

「どうして戦いが始まっているのですか!?今討って出ても勝機などありません。しばらく待って下さいと……」

「漣星。お前を呼んだ覚えは無い」

蛇集が苛立ちを隠さずに話を遮ると、思いがけない所から別の声がした。

すぐ側から、涼やかな声が。

「だから言ったでしょう。本当に民の事を思うのなら、戦を起こすなどとは考えもしない筈だと」

「水晶?」

呼ばれた采女が蛇集を見返す。

珍しい青色の瞳が輝き、今まで見た事も無い強く研ぎ澄まされた光が真っ直ぐに射抜く。

「本当に民の為を思い立たれたのなら、どうして戦う道を選んだのです」

「……水晶、お前までそんな事を言うのか」

水晶は驚いた様子の領主から離れ、漣星の近くに立った。

「民の為により良い暮らしを、そう思ったから乱を起こしたのでしょう。それなのにあちらに集まった民に向かい武器を振り下ろしては、その目的を自ら壊す事になります。それだけの事を考えられない無能者だと、貴方が自分で仰ったも同然です」

「水晶、これ以上は……」

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