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腕に手を掛けて止めようとした漣星を振り払い、尚も言葉を続ける。
「帝の軍は被害を出さない事を望み、兵に投降を呼び掛けております。貴方に失望した兵は迷わず投降するでしょう」
水晶は強い瞳のまま微笑む。
「自業自得ですね。民は帝にこそ希望を見出している。この期に及んで戦いを選んだ時に、貴方が正しさを証明する機会は絶たれたのです」
「私に他の道など無いからこうしたのだ!」
怒鳴った蛇集に対し、水晶は水のように静かに応じた。
「あるでしょう、降伏という道が。帝に敵わないと認めるのが、そんなに怖いのですか」
領主は怒りの表情で人を呼び寄せた。
「この二人を捕らえろ」
近付いた人々に、水晶は迷わず持っていた懐剣を抜く。
「水晶、何を考えているんだ!死ぬ気か」
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Reservoir Amulet