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「勿論違うわよ。連れて行かれたって殺されるだけだわ。そこにいる領主は自分の過ちを認められない。隠す為なら何だってする人よ」
話しながら軽やかに動く水晶は、捕らえようとする者を近付けさせない。
「分かったら貴方も少しは働いて。せめて自分の過ち位は償ってもらうわ。貴方はあんな人に取り入るより先に、帝に会うべきだったのよ」
「……確かに、そうかもね」
漣星は苦笑を浮かべ、腰に帯びていた太刀を構えた。
「あんな奴、利用する価値も無いとよく分かった。確かに馬鹿だったね、僕は」
「何をしている!早く捕らえろ!」
蛇集の声に、更に人が集まって来る。
それを見て、水晶が動きを止めた。
「退がりなさい。私を捕らえようとしても無駄です。少しでも道を正す気があるのなら、謀反人の蛇集を捕らえなさい!」
その凛とした声と態度に、周りの者が思わず武器を下ろす。
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Reservoir Amulet