21
蛇集を慕い集った人々が、今は疑念を抱いている。
もうかつての結束は無い。
民を纏めさせる帝の威光に触れ、その力を実感している。
「貴方に人を統べる力は無い。自分の過ちを認められない者は、上に立つ資格など無いのよ」
「ならば今の帝にはそれがあるのか!?」
「ええ。帝は絶対に、自分の為に誰かを犠牲にしようなどとは考えないわ。常に民を国を思い、自ら戦場に出るような人よ」
その確信に満ちた口調に、漣星は以前言った事を再び口にした。
「まるで、帝その人を知っているように言うんだね」
水晶は一瞬部屋の外に目を向けてから頷いた。
「ええ。よく知っているわ」
「何を馬鹿な事を!お前のようなただの娘が帝を知る筈が無いだろう!」
声を上げた蛇集に視線を戻し、水晶は静かな声で言った。
「蛇集。私の真の名は輝夜、帝の正妃である」
鋭い眼差しが、部屋の隅々にまで向けられる。
「私は筑紫が謀反を企んでいると知り、身分を偽り采女として此処へ来た。全ては帝の支持の元、私が見聞きした事はあの方の所まで届いている。これを聞いても尚、そのような態度を保っていられるか、蛇集!」
- 214 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet